みなさんこんにちは、テンプルトンです。
今の日本の状況は明らかに厳しく、昔の様に「一生懸命働けば給料も上がり、将来安泰」ということはありません。日本を代表する企業のトヨタ自動車からも、「終身雇用は難しい」との発言がありました。
学生時代に資本主義の実態を学ぶ機会はゼロに等しく、そのまま社会に放り出されます。そして、資本主義のルールを知るものたちに良いように使われ、「コモディティ」になってしまう。
日ごとに厳しくなる状況の中、この社会を生き抜きための「武器」を手渡したいと考えた著者:瀧本哲史氏の名著「僕は君たちに武器を配りたい(エッセンシャル版)」の紹介になります。
資本主義とは
資本主義を一言で言うと、「利益を追い求めることが目的とされる社会」です。
その資本主義社会の参加者は、基本的に全員がお金をたくさん得るために行動します。資本主義の社会でお金を増やすことができる増やすことができるのは、「より少ないコストで、みんなが欲しがるものを作った人」であると本書に書かれています。
コモディティとは コモディティではなくスペシャリティになる
本書の中でコモディティ(commodity)とは、「スペックが明確に定義できるもの」とされています。
市場に出回っている商品が個性を失ってしまい、どの商品を買っても大差がない状態を「コモディティ化」と呼び、現代では「人間の労働力もコモディティ化」されています。
同じ商品では安いものが買われるのと同じように、経営者から見て、同じ仕事ができる人であれば給料は安い方がいいに決まっています。「いかに人を買い叩くか」という競争のなかで、単なる労働者として働くだけでは「コモディティ化」することは避けられません。
その中で本書では、「スペシャリティ(speciality)」になる必要があるとしています。
スペシャリティとは「ほかのものでは代用することができない、唯一の物」であり、コモディティの正反対と言えます。
スペシャリティになるためにはただ勉強するだけではなく、どんな要素がコモディティとスペシャリティを分けるのかを熟知する必要があります。
儲かる漁師、儲からない漁師
本書ではスペシャリティとコモディティを「儲かる漁師、儲からない漁師」に例えて説明されており、
儲からない漁師はただ人に使われ、単なる労働力としてしか見なされていない漁師です。
それに対して儲かる漁師は以下の6タイプの働き方をしています。
1.とれた魚をほかの場所に運んで売ることができる漁師=商品を遠くに運んで売ることができる人(トレーダー)
2.一人でたくさんの魚をとるスキルを持っている漁師=自分の専門性を高めて、高いスキルによって仕事をする人(エキスパート)
3.高く売れる魚を作り出すことができた漁師=商品に付加価値をつけて、市場に合わせて売ることができる人(マーケター)
4.魚をとる新たな仕組みを作り出す漁師=まったく新しい仕組みをイノベーションできる人(イノベーター)
5.多くの漁師を配下に持つ、漁師集団のリーダー=自分が起業家となり、みんなを管理してリーダーとして行動する人(リーダー)
6.投資家的な漁師=投資家として市場に参加している人(インベスター=投資家)
主体的に稼ぐ人間になるためには、この6タイプのいずれかの人種になるのが近道としたうえで、「トレーダー」と「エキスパート」は現代の社会では通用しなくなってきています。
働き方を考える際、「大企業に就職する、希望の職種に就く」といった観点ではなく、この6タイプのどれになることが自分とって資本主義を生き抜く上で正しい選択かを考えるといいかも知れません。
投資家として生きる
本書では前述した6タイプそれぞれの解説が書かれており、特に「6.投資家として市場に参加している人」に多くのページを割いています。著者は、投資家として積極的にこの資本主義に参加することを提案しており、そうすることによってこの世界が違った形で見えてくるといいます。
投資家的に生きるうえで必要なのが、「リスク」と「リターン」できちんと把握すること。そのなかで、「就職して一生サラリーマンの道を選ぶのはハイリスクな選択である。サラリーマンは知らないうちにリスクを丸投げしている」と述べており、リスクを自分自身でコントロールすることで、より良い結果を引き寄せることができます。
最後に
いかがだったでしょうか。
要所をかいつまんで紹介しましたが、ぜひ本書を実際に読んでみることをおすすめします。
著者の非常に力強いメッセージが込められており、読者の心に響く一冊となっています。
今回紹介したエッセンシャル版は文字数も少なく、価格も500円+税と安価なため、気軽に読むことができます。
下記にリンクを貼っておくので、気になる方は見てみてください。
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